君色
そのお昼休み。
「しかし一限から大変だったねぇ」
日向がけらけらと人事のように笑っている。
…まぁ人事か。
「最低最低最低!!普通あそこまでする!?」
「ここまで来たら新しく買い換えるしかないね〜」
日向があたしの携帯をまじまじと見ながら言った。
「だいたい投げつけただけでこんなになるなんて人間の力じゃねぇっつの」
「まぁ確かに…」
「金も無いし…新しくするとしたら来月かなぁ」
今時の高校生と言えば携帯依存症なわけで。
授業中やらなんやらにくだらないメールのやりとりを教室の中でやりあうわけですよ。
それに参加できないって事はつまり暇潰しが出来なくなるって事だよ。
そう考えれば考える程…
恨めしいよ須往北斗!!
ちょっとでもあいつを素敵だと思ったあたしがバカだったよ。