君色


車の中から出てきた片桐は、少しグッタリしているように見えた。


大方、車に詰め込む際、てこずって一発喰らわせたんだろう。



「ざまぁないな」



両腕をしっかりと掴まれて、身動きが取れなくなっている片桐を、俺は思いっきり上から見下してやった。



俺に逆らった罰だ。


思う存分に嬲ってやる。



「ふっ。やっぱりあんたか。最近大人しかったから何か変だと思ったんだ」


…こいつは、自分の状況をわかっていないのか?

こんな状態にあってもまだ笑ってやがる。
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