君色
「いって…」
ちょっとは手加減しろよ。おとな気ねぇ奴。
勝負に負けたってのに、俺は今、とてもすがすがしい気分だ。
何かがフッ切れたような感覚とでも言おうか…。
今まで周りには、上っ面や損得感情だけで俺の事を見る奴らしかいなかったから
人間なんてみんな汚くて、自分の事しか考えてないもんなんだって思ってた。
だったら、俺が俺の望む世界を作ったっていいじゃないか。
お前らが俺を利用するんじゃない。
俺がお前らを利用してやるんだって。
そう思わなきゃ、生きている事自体がバカらしくて無駄な事に思えて仕方なかったんだ…。
けど、アイツは違ったな。
アイツがあの学校にいる間は、大人しくしてやっててもいいかな。
そう思った。