君色


「な…なんだよ?」

「手当て」

「は?」

「そんな傷だらけのままでいるつもりか?」

「――――…。」



俺はおとなしく、片桐の後について保健室を訪れた。


保健医は出かけているようで、留守だと知らせる紙が入り口に立掛けてある。



「なんだよ、使えないな」


…教師の言葉とは思えねぇ。


「仕方ない。あたしがやってやるよ」






ジュッ。


「いてぇ!!!!」


まだ傘豚にもなりきれていない傷口に、容赦なく薬液を染み込ませていく片桐。


「男だろ?これくらい我慢しな」




――鬼だ!!


男だろーが女だろーが痛ぇもんは痛ぇんだよ!!
バカ!ハゲ!!
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