君色
それからと言うもの、学校内は平和そのものだった。
今までの事が嘘だったかのように、毎日が穏やかに過ぎていく。
確かに退屈そのものに違いなかったけれど、もう今さら校内を引っかきまわそうだなんて思わなかった。
大人になったのかな、俺。
中には、俺の陰口を言う奴らもいたし、腑抜けになったと笑う奴もいた。
少し前までの俺なら、真っ先にブッ飛ばしに行ってる所だろうが今じゃ何とも思わない。
人は、何か大切な事に気づけると、こんなにも変われるもんなんだな。
「片桐先生」
「え…?須往が?」
ツルんでいた犬達とももうつるんではいない。
もともと信用なんか出来ない奴らだったし、上辺だけの付き合いならうっとうしいだけだ。
…上辺だけの付き合いしかした事が無い俺が何言ってんだって感じだけど。