君色
「最近一人でいる事が多いみたいだが、仲間割れか?」
「別に?最初から仲間なんかじゃねーよ、あんな奴ら。俺を楽しませるためのゲームの駒。まぁそれも飽きたから、開放してやっただけの話さ」
「本当にお前って奴は…どーしたらそんなひねくれて育てるんだ?」
片桐が呆れた顔で言う。
はは。全くだ。
むしろ俺が知りたいくらいだよ。
昔から、俺は人付き合いというものが苦手だった。
みんなが当たり前のように自然に出来る事が、俺には出来ない。
「先生も、政治家の親父と弁護士のお袋に育ててもらったら分かるんじゃん?」
「まぁ…お前はある意味純粋すぎるのかもしれないな」
「は?」
「人間の本質を、見ようとするだろ?周りは自分が思うほど、何も考えていないもんだよ。
あっ、それよりお前、進路希望白紙で出したんだって?」
なるほど。それで俺を探してたワケね。