君色


「やりたい事もないし、行きたい所も無いし…行っても時間の無駄な気がすんだよ」

「そんなの、行ってみないと分からないじゃないか」


分かるよ。
またつまんない毎日の繰り返しが待ってるだけだ。


コイツは何も分かってないな。

なんで俺がこんなつまんない学校に毎日毎日ちゃんと来てんのか。



「じゃあさ、進学して得する事を教えてよ」

「そんなのたくさんあるぞー?まず新しい友達が出来るだろ。後は…視野というか、世界が広がる!」

「どっちもそそられないなー。むしろ要らない」

「お前なぁ、あの時行っときゃ良かったって後悔しても遅いんだぞ?」



…後悔?そんなもの、とっくにしてるさ。


欠陥だらけの不良品が、この世に生まれて来た事、



それが俺の最大の後悔だよ。
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