君色
「絶対いく」
「そうか。何が食べたい?あたしが一腕ふるってやる」
「えっ?あんた料理出来んのぉ!?」
ものっそい不安なんですけど!!
「バッカ。お前甘く見るなよ!何年一人暮らししてると思ってんだ」
一人暮らしかぁ。
そういえば俺、何気女の部屋行くの初めてだ。
「あ…もうこんな時間」
気がつけばもう20時を回っている。
「気をつけて帰れよ」
片桐に見送られて、教室から出ようとしたその時、俺はずっと気になっていたあ
る事を思い出し、思いきってそれを質問してみた。
「あ、そういえば…先生って本当にエイズなの?」
「…あんなの嘘に決まってんだろ」
はは、やっぱりか。
「良かった。それじゃあセックスできるね」
「はぁ?誰と」
「バイバイっ♪」
俺は軽い足取りで教室を出て、とめどなく降り続く雪の中、傘もささずに帰路についたのだった。