君色


「お邪魔します」

「はいよー」


今日は待ちに待ったクリスマス。


恋人達で賑わう街を駆け抜けて、約束通り俺は片桐の家にお邪魔した。



つーか、あのジャージ…私服だったのかよ!!



片桐は、学校にいる時と何も変わらなかった。



つーかクリスマスだよ?

二人きりだよ?

わかっとんのか、このメガネ女は。


「先生さー…ラッキーガールだって自覚ないよね…」


俺の事が好きな女達だったら、クリスマス一日デート権なんてやったら泣いて喜ぶ所だぞ。


「あー?何か言ったか?」

「なんでもねーよ」


まぁ、そんな奴だからこそ、俺は惹かれたんだろうけど。



しばらくリビングで大人しくテレビを見ていると、いい香りを漂わせた鍋がテーブルに運ばれてきた。


「うわっ。うまそ!!」

「だろ?だから言ったんだ、任せとけって」


正直コレは期待以上だ。

やるじゃん、片桐。
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