君色


「コレもいけるか?」

「げっ、ワイン!未成年にこんなもん薦めてんじゃねぇよ」

「まーまーそう堅い事言うなよ」


今日、分かった事。

片桐が意外に料理上手だという事と、ワイン好きだったという事。


しかし、後先考えずにワインをがばがばと飲むもんだから片桐はあっという間につぶれてしまった。



アホだ。ただのアホ。



でも…こうやって、少しずつ…

俺が知らない片桐の一面をどんどん知っていけたらいいな。



結局、俺が想像していたようなロマンチックなクリスマスにはならなかったけれど、飲みすぎとは言え、滅多に見る事の出来ない寝顔が見れたから良しとしよう。


それに、また一つ、約束が出来たから。


『初詣、一緒に行こうよ』


片桐はすでに酔っ払っていたから、アッサリとOKしたけど約束は約束だ。

忘れたなんて言わせないもんね。



「あーあ。メガネくらい外してから寝ろっての」

だらしなくソファーで眠る片桐に俺は布団をかけてやり、メガネをそっと外してやった。
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