君色
「…ブサイクだったら、思いっきり笑ってやろうと思ってたのに」
ムカツク。なんだよ、その彫刻みたいに綺麗な顔は。
俺は乱れている片桐の髪の毛をかきあげ、そっと唇を重ねた。
今まで、数え切れないくらい程キスなんかしてきたけど
こんなにドキドキしたキスは初めてだ―――…。
「待ってて先生」
俺、早く大人になるから。
今はまだ子供だけど、そのうち背だってうんと高くなって、体もガッチリしてさ、先生より強く――――…
なる自信はないけど
せめて、隣にいても釣り合うくらいの男になるから…。
だから、もう少し俺に、時間を下さい。