君色


「へぇー…あの片桐先生をねぇ」

「誰にも言うなよっ」

「いわねぇよ」



俺は、あの時偶然街でコイツに会えてよかったと思った。


これが友達っていうやつなのかな?



よくわかんねぇけど

他の奴らとは違う何かを、コイツには感じていたのかもしれない。


その日から、大晦日までの時間、俺は中野と過ごした。

一人で家にいるより、ずっと早く時間が過ぎていく。



早く、大晦日にならないかな。


早く会いたい…。
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