君色
「あれー?円じゃない?」
小腹がすいたので、向こう側の出店エリアに向かって歩いている途中、二人組みの女に声をかけられた。
「あっほんとだー!全然雰囲気変わってるからわかんなかったぁー」
どうやら学生時代の同級生か何かのようだ。
つーかデート中なんですけど。
話かけんなっつーの。
俺が無言の訴えを二人に放っていると
「この子誰?弟さん?」
髪の短い方がそう訪ねてきた。
どっからどう見たら弟に見えんだよ、似てねぇだろ!
てめーの目は飾りか!?あぁ!?
ついついそう怒鳴ってしまいそうになる衝動を俺は必死に抑える。