君色


「俺、お前の弟なんかじゃねぇよ!!」

「……仕方ないだろ?教え子を連れて歩いてるなんて変だし」


人は恋をするとバカになるんだな。

かっこ悪いと分かってても

自分をさらけ出さずにはいられない。

止められないんだ。



グイッ。

俺はそのまま片桐の腕を力いっぱい引き寄せる。


「――――ッ!!ん!」


クリスマスの時とは比べものにならない位激しく、求めるようなキスをした。


片桐より上に立てる事と言ったら多分、俺にはこのくらいしかないから――。


子供だけど子供じゃないってわかって欲しかったんだ…。



「何で…拒まないの?」

「え……?」


今度は優しく、包み込むように触れるキスを落とす。


ねぇ、俺は期待してていいの?


今はムリでもいつか、俺のものになってくれるって。



望みが無いなら、今ここで突き飛ばすくらいの事はしてほしかったんだよ。


そしたら、諦めもつくかなって、そう思ったから…。


でも、片桐は結局最後まで拒まなかった。
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