LOVE・LOVE・LOVE
★Side 結城
「もう時間、じゃあね。」
俺の腕から簡単に抜け出すと、
沙紀はこちらを振り返ることなく教室を飛び出した。
「はあ。」
俺は一人、溜息を吐く。
相手は18歳の女子高生。
最初は遊びのつもりだった。教師という職も好きで就いた訳ではない。ただ気が付いたら教壇に立っていた。
そんなつまんねぇ生活を送ってる時、沙紀に会った。
「ねぇ、先生。秘密の恋愛しない?」
「おもしれぇじゃん」
沙紀は真っ直ぐと俺を見ながら
妖しげな笑みを浮かべていった。
本当に、遊びだったのに。
いつからだろうか。
…心に穴が開き始めたのは。
「ははっ、淳也おかしー」
「沙紀、笑いすぎ。」
教室で男子生徒と騒ぐ沙紀を見て
イライラするようになったのは。
キスを落としても、
愛を囁いても
沙紀は冷たい顔で俺を見る。
決して好きにはなってくれない。
ただの遊び相手。
分かっていたのに。
「…くっそ」
好きになっちもうとか
俺、どうすりゃ良いんだよ。