LOVE・LOVE・LOVE









ガヤガヤガヤ。


次の日、眠い目を擦って学校の校門をくぐると、いつもとは違って学校中が何故か騒がしかった。


すれ違う子みんなが、
ヒソヒソ話をしているかのように。





「おは…」


教室に入って、挨拶のために
声を掛けようとするよりも早く、
由愛に両肩を掴まれた。



「痛っ…ってどうしたの?」

「どうしたも、こうしたもないよ!結城がっ」




いつもとは違う慌てぶりに
私はふっと昨夜のことを思い出した。



…まさか。




「結城が、学校やめちゃうかも」

「な、にそれ。」






嫌な予感がした。
もしかして、昨日見られてた?


…私のせい?





震える足で自分の席まで歩き、
由愛の話を聞いて確信した。





「昨日、結城がうちの学校の生徒連れ出してたっていう通報が学校に入ったんだって。…その生徒が誰かは分かんないんだけど。」



「…っ」



あぁ、やっぱり。
全部、私のせいだった。





私があんなこと、言い出さなきゃ。



スリルなんて、
スリルなんて、いらなかった。






脳裏に浮かぶのは先生の顔。
大きな口をあけて笑うあの顔。




…守らなきゃ。





「ちょ、沙紀?!」


「ごめん、ちょっとトイレ」




私は携帯をポケットに突っ込むと、
急いで女子トイレへと向った。








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