日暮れの緋色
 人形のようにかわいらしい顔を目の前にされた庸介は少年のように顔を真っ赤にさせた。



 庸介はミコトに見入られ、コクコクとその頼みを承諾していた。



 「おい・・・健全な青少年をだましてんじゃねえよ」



 その光景を見て魁は頭をかきながら、ため息をついたのだった。



 「何か言いました?」



 すかさずミコトが魁に尋ねる。



 「いえ、なんでもありません」



 こういうときは降参するのに限るのだ。



 魁は両手を上げて降参のポーズをとった。
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