日暮れの緋色
 「真樹さんたちの肉体は無事なのでしょうか?」



 その光景を見ても顔色一つ変えずにミコトは悪魔に尋ねた。 



 「あ?あの一家か?確か娘が家族全員を殺してほしいといってきた。」



 「そうですわ。」



 「バカか!一年も前のヌケガラなんてとっくに腐っているだろうよ。」



  悪魔は本当に可笑しそうに嗤う。



 「そうですわよね・・・」



 ミコトはそういうと本当の人形のように無表情になる。



 目の色が両目とも菫色に変わり、ミコトが悪魔のほうに一歩踏み出したとき、悪魔の身体は金縛りにあったかのように動かなくなった。
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