日暮れの緋色
 「お、お前・・・」



 「申し訳ないですが、浄化させていただきますわ」



 ミコトはそう言って悪魔の前まで来て右手を肩の高さまで上げた。



 部屋中に神聖な空気が漂いだす。



 そして、ミコトの背中には天使の羽根のような形の光の粒子が出来ていた。



 「なんで・・・天界の奴が・・・ここに・・・」



 悪魔は苦しそうに唸(うな)る。



 「私は純天使ではありませんの。だから、天界では暮らしていませんのよ」



 悪魔はミコトから放出される光でその形が失われていく。



 そして、最後は線香花火が爆ぜるように光の粒子が飛び散り、ソレは消滅していた。
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