日暮れの緋色
 「さて、もう一仕事しなければなりませんわね」



 ミコトは魁の唇に軽く口付けると、魁の腕から飛び降りた。



 「さっき悪魔が言っていたことは本当なのか?」



 「ええ。真下一家は一年前に失踪していますわ」



 「でも、それじゃあ・・・」



 「行きましょう」



 複雑な心境の魁をよそに、ミコトは比呂と庸介がいる奥の部屋に向かった。
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