日暮れの緋色
 「待って!」



  その時、比呂が光の道から抜け出しミコトの下へ駆け寄ってきた。



 「これ!僕の大切なもの」



 そう言って、比呂はキラキラ光る虹色のスーパーボールを差し出した。



 「ありがとう。受け取りましたわ」



 天使のような微笑でミコトがそれを受け取ると、比呂は満面の笑顔で「バイバイ」といって再び姉たちのもとへ行き、そのまま一緒に天へ上って行った。

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