日暮れの緋色
 カラン・・・



 その時、目の前のお店の扉が開いた。



 「お?ガキがなんでこんなところに一人でいるんだ??」



 見上げるほど大きなタキシード姿の若い男性が、小さな看板を手にしていた。



 それを見るとそこには目的の文字が書いてある。



 「あ、あの!ここがメイド商会ですか?」



 僕は必死に祈るように言う。若い男はさわやかな笑顔で答えた。



 「ああ、客か。・・・いらっしゃい。ここがメイド商会だよ」



 男が執事のようにうやうやしく扉を開く。



 中は薄暗く、なにやら不思議なアンティークの品が溢れていた。
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