日暮れの緋色
 僕は恐る恐る中に入る。



 日の光が届かない部屋の奥に、大きなフランス人形が大きな机の向こうに座っていた。



 バタン。



 世界から隔離するように、店の扉が音を立てて閉まる。



 僕の心臓は、はちきれんばかりに素早く動いていた。
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