恋のどれい
保健室に行こうかな。
でもまた前前川くんがいたら困るし。
嫌だし。
家は電車に乗って帰らなきゃだし。
親はいないし。
はぁ~。
起きたころにはもう放課後。
帰らなきゃと立ちあがると、
「王子…」
小さくつぶやいた。
『王子』って、聞こえてなかったみたいだったからよかった。
2人だけの教室だから、前川くんも本性。
めがねははずして、さっきのドス黒王子。
「俺のどれいになればいいじゃん」
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