恋のどれい
「はい…」
「だいじょうぶかよっ」
ごぉぉ~ん。
前川くんが入ってきて、あたしの頭にスーパーの袋があたった。
痛い。
前川くんが持っているスーパーの袋。
中にはりんごとかかぜ薬とか、スポーツ飲料とか…。
頭痛がしてたあたしにはほんとうに痛い。
「おわっ、ごめん。だいじょうぶか…」
「痛い」
かぜひいているときって、なぜだか不安になって、涙が出そうになる。
あたしはびみょうに涙目だ。
「…υ」
前川くんは困惑した表情であたしを見て、それから。
「きゃ…」
あたしを横抱きにした。