恋のどれい
おいしそうなにおいがしてきて、あたしは手を休める。
前川くんは、ほんとうに料理がとくいなのかな…。
「おいー?」
なにぼけっとしてんだ、と前川くんはあたしに声をかける。
「前川くんのノートはすごいね~。尊敬するわ」
尊敬するのはノートだけ。
「なにかってに見てんだよ」
料理をテーブルの上に置いて、あたしの手からノートをうばった。
「すごいねー。やっぱり頭いいだけあるね」
「てゆか、熱だいじょうぶなわけ…υ」
「さっきよりも楽かも」
前川くんのおかげ、か。
「わっ!料理できたんだ…?」
テーブルの上に置かれているおかゆにあたしはびっくりする。