恋のどれい
…だれもいない。
勝手に寝ることにしよう。
カーテンで仕切られたベッドを開くと、重なり合う2つの体。
その男子と目が合ってしまう。
「おう…じ?!」
あのキラキラの、けがれ1つすらなさそうな王子と、この学校の生徒。
脱ぎ途中?!
「……王子、また今度」
そう言って、女のひとはなにごともなかったかのようにあたしの横をとおって、出て行った。
王子こと、前川くんはバツが悪そうに髪をかいていた。
もしかして、もしかしなくても、見てはいけないものを見てしまったり?!
「えええとととと…失礼します」
なにごともなかったかのようにカーテンを閉めて、保健室を出て行こうと試みる。
「?!」
ぐいっと手を引かれて、あたしはベッドの上。
そのうえにはドス黒いオーラの前川くん。