恋のどれい
「っきゃ」
前川くんの顔がおりてきて、あたしの首筋にキスを降らせる。
時には、するどい痛みが走ったり。
前川くんの顔をぐいぐいとおすけれど、かなうはずがなくて、あたしの両手はマクラもとにまとめられた。
それから、とろけるような、キス。
「ッ…んっ……!!」
前川くんがあたしの唇をふさぐ。
あたしの唇を割って、中に何かが侵入してきた。
息苦しいってば!!
「オチた?」
いつものまじめ前川くんとは違う、めがねをはずした王子さまが、王子さまではありえないことを言った。
あたしは胸をゆらして、涙目。
「え?なに。気持ち良かったとか?」
こんなの、王子さまじゃなーいッ!!