恋のどれい
艶っぽく、あたしの目を見つめる。
「開けてたら、こんなことできねーもんな」
うれしすぎるって!
前川くんが順調に回復してるって、わかる。
それから、あたしが持ってきたりんごを食べながら。
まったりほっとする時間。
「……俺の負けだな」
ぼそっとつぶやいた言葉をあたしはすくいとった。
あたしに、聞こえないように話したつもりなんだろうけど。
「どうして?」
「…υほんものの恋を、わかってしまったから」