恋のどれい
家のこと ★
………。
あいつがついてきてる。
ばれていないとでも思ったのか、かばんで顔を隠して、ちょこまかと俺の後ろをついてきてる。
ばーか。
顔は隠れてても、その足とか、体とか、髪を見りゃすぐお前だってわかるんだよ。
やっぱり、学校で聞かれた俺の家のことか。
そうとう、知りたかったんだな…。
にやけてしまう頬を、必死に押さえて。
後ろで転んだ芽衣を心配しつつ。
でも頭の中で笑いつつ。
俺は気づいていないふりをして、芽衣にストーカーを続けさせていた。
最後の道の川原を通ったとき。
そこまでやるかよ…υ
我ながら、すごい彼女だと思う。
自分が女子高生なのもスカートなのもすべて忘れて、草の間四つん這いで進んでいる。