恋のどれい
これからもずっと、となりにいてほしいひとだから。
いっしょにいたいと思ったひとだから。
俺のすべてを教えてしまっても、かまわないと思ったんだ。
「ここ…」
ぼろ家でも、引かないよな…。
「送ってってやるから…。着替えてくるからそこで待ってろよ」
その答えを聞けなくて、俺は芽衣を家の外に残して家に入った。
家に入って、ぼろいけど整っている部屋を見る。
入ってすぐ台所、リビング。
引き戸の向こうは俺の部屋。
あとはトイレ、おふろ。
それだけの家。
芽衣は俺がこんなところに住んでいるとは思ってなかったみたいだから、引いたかな。
信じたいけど…。
「うぉっ?!」
びびった。
芽衣が俺んちに入って、リビングのざぶとんに芽衣が座っていた。