恋のどれい
正座して、俺の顔をおずおずと見つめてくる。
「な、なに…」
恥ずかしくなって、俺から視線をはずした。
「あ、あたしっ、前川くんのことだから知りたいと思うし。だからこの家のこと知りたいし」
「へ…」
「あたし、前川くんのこと知りたい。教えて……?」
上目づかいに、赤い顔。
こらえきれずに、近づいた。
芽衣を体の中に収めるように座って、キスした。
優しいキスから、深くとろけるような甘いキス。
芽衣が俺に体を預ける。
キスをしながら、体が床に倒れていく。
キスをしながら、俺の手はべつの場所を触っている。
「…っ……ぷはっ?!」
俺がいきなりキスをやめて体をはなしたからびっくりしたのだろう。
「…、どうしたの?」
「俺んちさ」
まだあおむけになっている芽衣から目をそらして言った。
「親は出稼ぎとか言って、いねぇし…。金には不自由してないけど、俺んちこんなんだし」