恋のどれい


もじもじして、自分のスカートのすそをいじっている。



「えと。その…」

「うん」


さっきからこの繰り返し。



いいかげん、聞いてみた。



「ほんとに、なに?」


「あのね、………うちに来る?」



うち?


芽衣が言う、うち?




「もっと詳しくお願いしたいっす」


「だから…。あたしんちに来る?」


「…なにしに」



わかってる。


言いたいことはわかる。


それでもわからないふりをする。



「あたしんちに…住んじゃえば……?」



だって…なぁ?


うれしいけど……。

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