Memories - 年の差恋愛 -
別に聞かれて困るようなことはないと思うし。

お母さんだって、私が飛田さんと一緒にいることは知っている。

『そう?夕飯を一緒に食べない?彼も連れていらっしゃい』

「え?ちょ、ちょっとまってね」

電話を手で押さえてから、飛田さんを見ると不思議そうな顔をして首を傾げていて。

「あの、母が一緒に夕飯を食べないかって」

「本当に?嬉しいなぁ」

挨拶はしてくれたけど。

いやだって言われたらどうしよう、と一瞬不安になった。

でも、そんな不安は必要なくて。

私の問いかけに悩むことなく嬉しそうな顔をしてくれた飛田さんが、すごく好きだって思った。

「ありがとう」

お母さんには喜んでいくことを伝えて電話を切った。

「なんかね、タクシーで来てくださいって」

「ん?お酒でも出してもらえるのかな?」

手ぶらで行くのはなんだから手土産が買いたいと言う飛田さんと共に、大型ショッピングセンターへ来て。

何がいいかわからないけど、お酒が好きな父に飛田さんお勧めの焼酎を買って。

母には綺麗にアレンジされた花を買った。
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