Memories - 年の差恋愛 -
「ご飯出来ましたよ!」

後ろから声をかけると、二人とも同時に振り返って。

あ、驚いた顔がなんとなく似ている?

なんだか二人が同じような顔をしていて、それだけで笑いが止まらなくなってしまった。

「え、今笑うところ?」

先に立ちあがった飛田さんが私のそばへ来て、お腹を抱えて笑っている私を不機嫌そうに見ていて。

なんか、わかった気がする。

私はお父さんもお母さんも大好きで、家族にとても大切にされて育ってきた。

いつもいつも、お父さんもお母さんも、大きな愛で私を見守ってくれていたんだ。

私は、無意識のうちにそんなお父さんに似た飛田さんに惹かれていたのかもしれない。

「さあ、冷めちゃいます。行きましょう?」

使い終わったバケツなどを片づけるお父さんを手伝いながら家の中へ入ると、テーブルの上にはさっき作った料理が綺麗に並べられていた。

「わ、すごいうまそうですね!」

手を洗ってからお父さんの向かい側に座った飛田さんは、目の前の料理に目を輝かせてそう言ってくれて。

お父さんに勧められるまま、お互いにビールを酌み交わしていた。
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