Memories - 年の差恋愛 -
お母さんと目があったけど、今は自分の口から言葉なんて出てこなくて。

もう、飛田さんに頼るしかない。

「佐智子さんと、真剣にお付き合いをさせていただいております」

「ああ、それは先日も聞いたから理解しているよ」

テーブルにあったコーヒーに手を付けたお父さんが、静かにカップを口にしてから再び飛田さんを見た。

「ご存じのとおり、年も離れていてさらに離婚歴もありますが、いずれ佐智子さんと一緒になりたいと考えてます」

え…。

今、このタイミングでまるで結婚の許しを求めているようなそんな言葉に、飛田さんを見るとすごく真剣な顔でお父さんを見ていて。

「…そうか」

小さくそうつぶやいたお父さんは、持っていたカップをテーブルに置いてから私を見てにっこりと笑った。

「佐智子も、同じ気持ちか?」

「うん、同じ気持ち、です」

お父さんの真剣な顔に、嘘なんて付けない。

私の気持ちは、飛田さんと一緒に居たいということ。

いつか…そんな夢が、こんなに早く現実味を帯びるなんて思ってもみなかった私の頭の中は、プチパニック状態だったけど。

隣に居る飛田さんが私を見て「ありがとう」って言ってくれて。
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