Memories - 年の差恋愛 -
「私は…先日きみと話しをしてからお母さんとも話し合ったんだけど、二人を信じようと思う」

「お父さんね、快く送り出したけどすごく心配していたのよ。でも、今日の飛田さんと佐智子を見ていたら、大丈夫そうね」

お父さんとお母さんが二人で言ってくれた言葉はとても温かくて。

気がつくと私の頬に温かいものが伝っていた。

人を好きになるのってすごく素敵なことで。

そのすきになった人が自分の親に正面から向き合ってくれたことは、とても幸せなこと。

そして。

両親が私が選んだ人を大切に思ってくれたこと。

「お父さん、お母さん、ありがとう」

口にしたら涙が止まらなくなってしまった。

両手で顔を覆いながら止まらない涙を隠したけど、どんどん溢れてきて。

「まあまあ、こういうことろはまだまだ子供ね」

お母さんがハンカチを渡してくれたけど、受け取ることすらできなくて。

代わりにそれを受け取った飛田さんが、そっと私の両手を開けてやさしく涙を拭ってくれた。

「そんなこと無いです。子供なんかじゃないですよ」

お父さんとお母さんの前で、私を見つめながらそんな事を口にする飛田さんに顔が赤くなってしまう。

恥ずかしくて、びっくりして。

溢れていた涙は一発で止まってしまった。
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