Memories - 年の差恋愛 -
信じていないわけじゃなかった。

ううん、信じていたつもりだったんだ。

なのに、信じていたはずなのにこんなに不安になって。

浮気とかそんな事疑っていなかったけど。

でも。

うまく言えない自分の気持ちをどう伝えたらいいのかわからなくて、ただあふれる涙をそのままに飛田さんに抱きついていた。

「きちんと、話すべきだった」

そっと私の額にかかる前髪をよけるようにして撫でてくれて。

温かい大きな手が、私の気持ちを安心させていく。

それからゆっくりと同窓会のことを話してくれた。

男女10人でお店に集まったこと。

はじめは皆が楽しく飲んでいたこと。

飛田さんが私のことを皆に話しだしたときに、元奥さんの様子がおかしくなったこと。

彼女が出来たと聞いた元奥さんが、強いお酒をたくさん飲みだして、皆が止めても聞かなかったこと。

隣にいた女性に彼女の話を聞くと、最近付き合っていた彼氏に振られたらしく。

「どうして私ばかり!」と叫んだ後気を失ってしまったらしい。
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