Memories - 年の差恋愛 -
色んなお菓子を作るけど、昔からよく作るのは、このマドレーヌ。

お母さんが教えてくれたレシピだけど、どのお店で買ったものよりも美味しいと思っている。

焼き上がるまでそわそわしてオーブンから離れることができない。

「そうだ、ラッピング・・・」

常にいくつか常備してあるラッピングの中から、可愛らしすぎないシンプルなものを出してきた。

私の中での飛田さんのイメージは、仕事ができてあまりおちゃらけた感じではなくて・・・。

大人の男の人ってイメージだったけど。

昨日の出来事で、少しだけ変わった気がする。

大人の男の人ってイメージには変わりがないんだけど、なんていうか・・・。

少しだけ、近くに感じることができたような。

一人でオーブンの前に座り込んでそんなことを考えていると、顔が赤くなってきた。

やだ、思い出しちゃったよ。

夕べの、飛田さんとのキス。

あんなにドキドキしたのはいつ以来かしら?

思い出すだけで心臓が踊りだすなんて。

なんだか落ち着かなくて、冷蔵庫からペットボトルの水を取り出し、コップに入れる。

まだまだ焼き上がりまで時間があるので、ソファへ移動してテレビをつけた。
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