Memories - 年の差恋愛 -

そんな時にすっと目の前に出されたのは、飛田さんの携帯電話。

最新の機種で、飛田さんによく似合っていてかっこいい。

目の前の画面には、「二次会参加せずに抜け出さない？」と書いてあった。

「え？」

一瞬、焦点が合わなくて文字を読むことができなくて。

改めて見直し、内容を理解できないまま文字を目で追って。

えっと、どういうこと？

「アドレス交換しようよ？」

私が読んだことを確認した飛田さんは、自分の携帯を操作して赤外線通信の画面に変更した。

さっきのは、えーっと？
とっさにうまく頭が働かなくて、隣にいる飛田さんの顔を見上げてしまった。

「え、まさか携帯持ってなかった！？」

まるでさっきの文字は夢だったのか？と思ってしまうくらい自然で。

私も何がなんだかわからないけど、突っ込んで聞くこともできなくて。

「ま、まさか！有りますよぉ」

飛田さんの言葉に、慌てて携帯電話を取り出し、飛田さんに見せると、飛田さんの手によってあっと言う間にアドレス交換されてしまった。

「サンキュ」

自分の携帯を操作しながら、飛田さんから返された自分の携帯画面を見ると、飛田康文という名前と電話番号、それからアドレスが記載してあった。