Memories - 年の差恋愛 -
普通にすればいいのに、昨日のことを思い出すと恥ずかしくて落ち着かない!

車から降りた飛田さんが私に気がついて、にっこり笑いながら近づいてくる。

私もあわててカバンを取り出し、車から降りるとすぐそばへ来た飛田さんに手を取られた。

「え?飛田さん?」

「おはよ」

ぐいぐいと引っ張られて工場と事務所の建物の間に連れていかれて。

狭いその空間は、近くまで来ないと中に人が居るかわからないくらい目立たない場所。

やっと手を離してくれたと思ったら、両肩を掴まれて顔をのぞかれてしまった。

一気に顔が赤くなるのがわかる。

ち、近いですよ!顔!

「おはよう、佐智子ちゃん」

改めて挨拶されて、まだ自分から挨拶していなかったことに気がつく。

「お、おはようございます」

私の挨拶を確認すると、肩に乗っていた両手がそっと離れて私の両頬を包みこんだ。

「…俺、やばいな」

「え?」

ゆっくり顔が近付いてきて、そっと触れた唇と唇。
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