Memories - 年の差恋愛 -

仕事が始まると、金曜日までと何も変わらない時間が始まって。

時々見える飛田さんの姿にドキドキしながら、出来るだけ仕事に集中するようにしていた。

お昼休みの時間になり、食堂へ行くと同期の綾と里奈に両脇を抱えるようにして捕まってしまった。

「さあ、佐智子さーん？金曜日のこと聞かせてもらいますよ」

あやしく笑う綾に冷や汗をかきながらも席に着き、お昼を食べ始める。

「あの後、帰宅しなかったでしょ」

「えっ？」

ごはんを口に運びながら、真顔の里奈が私をじっと見つめている。

あの後…金曜日の歓迎会の後ってことだよね。

帰宅…しなかったけど、どうしてわかるの？

挙動不審な私を見て綾が声をあげて笑うので、回りの社員たちの注目を浴びてしまう。

「ちょ、やめてよ！」

恥ずかしくて声をひそめる私を無視して、綾と里奈は笑っていて。

「カマかけただけなのに。佐智子ってわかりやすーっ」

えー！

どこで見られたのか真剣に考えていた私は、二人の声に顔から血が引いて行くのがわかった。

…やられたっ。