Memories - 年の差恋愛 -
「ねえ、さっきの名刺。どうするの?」

「えっ…」

彼に渡されたあの名刺。

そういえば、どうしたんだっけ?

「あ…さっきのお店に忘れて来た…」

「必要だった?名刺」

「い、いらない!見たくもないし!」

思い出したくない過去って、誰にでもあるんだってこと。

私だって、辛い恋愛をしたことがないわけじゃないし。

飛田さんだって、結婚歴があるって言ってたし。

今まで生きて来たんだから、誰にだってある過去。

それも、私よりも14年も多く生きている飛田さんだから、私よりもいろんな経験をしているはずなんだ。

遅くまでカフェで過ごした私たちは、そこからはタクシーで帰宅した。

家に着いてから携帯を見ると、飛田さんからメールが届いていて。

私よりも先に帰宅したんだ。

なんだかすごく彼の声が聞きたかったけど、ひょっとしたら疲れて寝ているかもと思いそのままベッドに横になってしまった。
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