Memories - 年の差恋愛 -
電話の向こうで聞こえる飛田さんの声。

それ以外にも何か音楽のような音も聞こえていた。

「ご、ごめんなさい。寝ちゃって…」

カチ、カチ、というどこかで聞いたことのある音が受話器から聞こえていて。

「え、飛田さん、今どこにいるんですか…?」

この音って、車のハザード?

『ああ、家の前?』

家の前ってどこの!?

慌てて窓際へ行くと、家の前に見慣れた車がハザードを付けて止まっていた。

「うそ…」

どうしよう。

電話に出ないから、心配して探しに来てくれたんだ。

慌てて、でも音をたてないようにして家を出ると、運転席の窓があいて。

そこには、会いたくて会いたくてたまらなかった飛田さん。

でも、すごく不機嫌そうで…。
< 72 / 149 >

この作品をシェア

pagetop