Memories - 年の差恋愛 -
翌日はいつもより少しだけ早く目が覚めて、いつもより少しだけ早く会社に着いた。

まだ誰もいない駐車場に着いたのはさすがに初めてで、なんとなく車の中で時間をつぶす。

しばらくするといつも一番に来て鍵を開けているというおじさんが出社してきて、私を見つけて少し驚いていたけどにこにこしながら行ってしまった。

これで、鍵もあいた。

ゆっくり車から降りて背伸びをすると、浅野気持ちいい空気が体の中に染みいる感じ。

そのまま事務所へ行き、自分の席に着く。

まだ誰もいないフロア。

椅子に座ったまま、ちらっと飛田さんの席を見るといつもは綺麗に片付いているのに少しだけ散らかっているような…。

昨夜も遅くまで仕事をしていた飛田さん。

ひょっとして、会社から私に電話してくれたのかな。

携帯電話を取り出し着信を確認すると、1時間以上10分おき位に履歴が残っていた。

「…私、サイテー…」

こんなに心配掛けて。

ひょっとしたら、仕事がまだ残っていたのかもしれないのに。

ぎゅっと携帯を握りしめて涙をこらえていると、後ろの方で扉の開く音がした。
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