Memories - 年の差恋愛 -
自分で自分に言い聞かせ、車を運転して家に着いた。

「佐智子、たまには家のことも手伝いなさい」

「はーい」

部屋で着替えていると、お母さんに声が聞こえて。

最近家のことなんて何もしていなかったっけ。

もともと家事は嫌いじゃないけど、得意でもない私。

料理位できないと、女の子としてはだめだよね…。

キッチンへ行くと夕飯の支度をしているお母さんにエプロンを渡された。

言われるがままに料理を手伝い、久しぶりにお母さんと沢山話をしているとお父さんも帰ってきて。

「佐智子が作ったのよ」

「おお、そうか」

久しぶりの料理にお父さんもうれしそうに食べてくれた。

食後は皆でお茶を飲みながらテレビを見て。

他愛もない話だけど、こうしてゆっくり家族での会話っていいな。

父がお風呂に入っている間に洗い物を済ませ、母の次に私もお風呂に入った。

いつ飛田さんから電話がかかってきてもいいように、お風呂場まで携帯電話を持っていくなんて、初めてのことかも。
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