Memories - 年の差恋愛 -
なんだか落ち着かないままお風呂につかり、ゆっくりできないまま上がっても携帯は鳴っていなかった。

「ふぅ」

慌てて出て来たのをみたお母さんが不思議そうにしていたけど、冷蔵庫からペットボトルを取り出して部屋に戻った。

時計を見ると、22時を過ぎたところ。

「まだ、仕事かなぁ…」

今週中に仕上げなければならない仕事があって、忙しいのはわかっているけど。

昨日も遅かったし、今日もこんな時間。

毎日これだと、体が壊れてしまうんじゃないかと思う。

「家に帰ってから夕飯作るのかなぁ…」

こんな時間じゃ開いているお店も限られるだろうし、食べてから帰宅じゃ寝る時間も…。

なんだか気になって仕方がない。

同じ部署なのに、私は何も力になれないなんて。

「はぁ」

何度目かわからないため息をついてから、ペットボトルを口にした。

ベッドに腰掛けて近くにある雑誌に手を伸ばした時、携帯電話が着信を知らせて。

「飛田さん!」

慌てて開くと待ちかねた飛田さんからの電話だった。
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