僕の女王様
「三崎、お前も」


勇人はサッカー部のエース。


走り込みなどしなくても当然自分より早い。


自分がいかに楽に勝つかを考えると、いてほしくない人物だ。


「お前、なんだかんだ言って、千里様のこと好きなんだな」


そうなのだろうか?


だから、彼女の頼みを断れないのだろうか。


・・・。


なんとなく違う気がする。


頭を抱えていると、勇人が苦笑する。


「俺、本気で狙ってもいいかな?」


自分の気持ちもはっきりしないままこう言われてしまえば、頷くしかない。
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