僕の女王様
「お前にだけは教えないけどな」


千里との約束だ。


名前を聞いたわけではない。


それでも彼女の視線でわかってしまった。


本人は全く気付いていない様子だ。


当然、親切に教えてやる気になどならない。


ただ、思考を巡らせ、隣に座る人物を憎む気にはなれない。
< 19 / 84 >

この作品をシェア

pagetop