僕の女王様
「俺」


そう言って手を上げて見せる副会長をたこ殴りにしたい衝動にかられる。


当然、そんな内心を理解しているのは、海斗だけで、他の人は感じることはない。


こんな時、自分に染み付いたイメージとそれに固執している自分が恨めしい。


それでも理解してくれる人がいることは幸せだと思う。


「これが朝食ですか?」


なぜか付き添っている生徒会役員と、報道部が目を丸くする。


「よかったら皆さんもどうぞ」


当然、社交辞令だ。


野菜嫌いの女王様のために用意されたシェフ自慢の朝食。


味はもちろん一流。


彼女の予想に反し全員が席に着く。
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